2:かつて暮らしていた家に、今は誰もいない。冷え切った風がカーテンを静かに揺らす。
3:鳥居の上で鳥が一羽、羽根を休めている。その鳴き声は、どこか寂しそうだ。
4:古びた木造の校舎。まだ使われているのか、園児たちの絵が廊下に並んでいる。
5:文殊神宮の前に広がる湖。薄く張られた氷の下では鯉が音も立てずに泳いでいる。
6:誰が作ったのか、通りに雪うさぎが一匹ちょこんと座っている。
7:冷たい空気に、豆を煎る香りがまじり始める。
8:文殊神宮に祀られた源頼光の像には、見覚えのある紋様のような柄が刻まれている。
9:襲われた酒蔵には、微かに酒の匂いが残っている。
10:鬼を警戒しているのか、通りに子どもの姿はない。静まり返った村はどこか薄気味悪い。
11:庭先に真っ赤な椿が咲いている。風に揺られ、今にも花が落ちそうだ。
12:家の柱に細い線が幾つも刻まれている。今はもう、あなたの成長を喜ぶ者はいない。