【影鰐】非在の虚海を泳ぎ、歪められた歴史を飲み込み消滅させる。
この性質は情報の露呈を恐れる裏の世界にとっては都合のいいものだった。比良坂機関は何匹かの影鰐を捕縛、管理し、情報工作に利用している。
しかし、この性質も完璧なものではない。飲み込まれた歴史は腹の中で消化されるわけではない。もし、影鰐が死ぬことがあれば食われた歴史はそのまま戻っていく。比良坂機関の管理する影鰐は便利な道具であると同時に触れてはならない事実をその腹の内に宿した爆弾でもあるのだ。
先日、1匹の影鰐が比良坂機関の手から離れ討伐された。それと同時に舞い戻ってきた、妖魔が大量発生している危険地帯「鏡峯町」。その対処にその町の関係者が集められた。