独自流派・無神論者(むしんろんじゃ)

タイプ:-

製作:流神

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管理人・流派条件・流儀・仇敵

●管理人
浦波 流神(うらなみ るかな)

●独自流派名
無神論者(むしんろんじゃ)

●流派条件
無神論者の独自流反忍法を一つでも習得していること。

●流儀
神になり切れなかった妖魔化した者の討滅、シノビガミ復活を目論む者の抹殺。

●仇敵
比良坂機関・隠忍の血統・【惟神】の奥義を習得している者。


●流派レベル


基本忍法数:3
成長限界:中忍頭



●思想

退魔時代
 科学によって、星々を始めとした神性が暴かれていった神学の没落黎明期。
 宗教やそことズブズブな政界を敵対視し、洗脳による民衆の盲目を解くために奮闘する。

現代(現代退魔)
「今、不幸な人は神より試練が与えられている」だの「前世での悪行を現在償っているのです」などと云った、本人が知らざる罪の清算という意味不明な宗教思想(かみ)の否定。
 なにもせず裕福に暮らせる愚図と理由もなく地獄のような世界で生きる人の差を許容している神への反逆者たち。

※注意事項

 後述されている沿革は一部であり、各六賢人のそれ以前、その後など、様々な歴史や情報は随時更新して追加していく予定です。
 あくまでも、現状で明かされている範囲だと思ってください。

無神論者の沿革

ニーチェの「神は死んだ」やガガーリンの「神はいなかった」という言葉を旗印として活動する反宗教団体。
然し、実際の歴史は近世ヨーロッパ初頭にまで遡る。

近代科学の父であるガリレオ・ガリレイが地動説を支持した晩年、彼は「地動説は神を批判する思想」という理由から捕らえられ、軟禁生活を送ることとなる。
彼が裁判の結果、死刑判決を受けたとき、ガリレオの弟子の中でも彼に追随するくらい優秀な6人――――始まりの六賢人――――が、ガリレオを説得して地動説支持を引っ込めさせた。
始まりの六賢人は、ガリレオに傾倒的なまでに心酔しており、彼の掲げた地動説が宗教的に神に反するという理由で貶めた事実が受け入れられず、反旗を翻そうと裏で暗躍していた。
だが、六賢人のうちサリエが教会と内通しており、裏切りによって犢神者として指名手配されることになり、地動説再動を心掛け社会に正しい事を広めようとした彼らは散り散りとなってしまう。
活動が狭まったのか表に出る機会も大幅に減り、反社会人/反教徒を狩るエクソシストに殺されたのではないか、などという噂もあった。

だが、彼らは生きていた。


人形師コアは。
その類い稀なる魔術体系を築き上げていた為に六賢人の中でも特に命を狙われ、身体操作・無機物操作という術を以て難を何度も逃れた。
彼女は自分の遊戯を世俗に広め、才ある者には己の魔術を教えた。
また、表向きは劇団として歩き回り、人民の有事の際には武勇を奮う自警団――――サーカス――――の創始者である。
西洋影絵座の元祖である。


作家ロジッタは。
反キリスト教を謳う小説を数多く執筆し、民衆を虜にした。
作家名は脚が付かないように別々の偽名を用いて頒布したが、手にする民衆は読んだときに「ロジッタだ!」と気付いて歓喜した。
尤も、公になる度に禁書扱いされ、酷い時は焚書された。
彼の書籍は後にゲーテに影響を与え、『ファウスト』が生まれたのはロジッタがいたからとも云われている。


異邦人ヤチエは。
東国から様々な国を渡り歩きたいという旅人気質から、複数の偽名を使い各国を物見遊山した。
家事――――特に裁縫技術――――に優れていたこともあり、国々に合わせた服を着用し技巧高い化粧にて身分を明かさないようにしたことも、生き残った理由であるだろう。
彼女については、上記の理由から記述や口伝が極めて少ない。


元大司教オーウェンは。
眉目秀麗な容姿を活かして官吏の妻などと閨を共にし、政界の裏事情に精通して他の四人の危機へ助け船を出していた。
だが、だからこそというべきか短命であった。
オーウェンはランスロットよろしく情事の最中を夫の懐刀たちに見付かり、その場で斬殺された。


浮浪者シュヴァリエは。
拙い手品で嘲笑や罵倒を買い、惨めに思われながら路銀を稼いでいた。
ツギハギのブラウスの上からボロのマントを羽織っており、彼女一人だけ地動説再動前と変わらぬ日常を過ごしていた。
彼女は雨風を凌ぐため、立ち寄った男の家で一夜の関係を持ったときに妊娠してしまう。
男は認知しないというので、女で一人で育てていかなければならない……というのは酷であるので、実家で過ごすことを決意する。
公的に安寧を得るために、唯一、天動説を支持するように鞍替えした。


六賢人は裏切りのサリエを含め1世紀もすれば新たな諷刺にて廃れていったので、忘れられていく……。

本当の裏切りが、知られることもなく。


そもそも、サリエという人物は存在しなかった。
裏切りは最初から企てられていた。
――――そう、八千枝(やちえ)によって。

八千枝は徳川に仕える巫女である。
旧大奥である小之宮神宮の巫女頭であり、日本最悪の邪悪な神道派閥に属する。
彼女は徳川幕府繁栄のために神道の弱体化を図る。然しながら、黎明期である自国で師番を揺るがすようなことはできない。
松平の助言にて徳川家光は、八千枝に海外へ赴き神道――――牽いては天皇の威光――――を貶め、減退させる任務に就かせる。

八千枝は船出の末ロシアに辿り着き、ヨーロッパを大きく横断してイギリスで2年過ごした後、ガリレオの異名を聞き付けイタリアへ移住した。
彼に弟子入りを請い願うも4度に渡って断られたが、五度目に持参した天文学に於ける九曜の論文を評価され晴れて弟子となる。
彼は当時既に地動説を支持しており、神を貶めるヒントをそこに八千代は見出だしていた。
だが然し、予想以上に地動説は宗教から敵視され、ガリレオは捕縛され裁判にまで掛けられる。
ここに答えはないのかと落胆しつつも、表向きでは積極的に、生きてほしいとガリレオへ地動説支持取り下げをお願いした。
ガリレオに心底認められた六人の弟子――――始まりの六賢人――――にまで上り詰めた八千枝は、ガリレオのために地動説再動を掲げる他の四人に嫌気が差して、裏切りを始動する。
自分より先に弟子に――――潜入だが――――なっていたサリエ。その正体は、八千枝が用意していた式神であり、実在する人間ではない。
八千枝はサリエを操作して裏切りを働かせ、六賢人を空中分解させた。

八千枝は自由の身となったので、ローマに内包されている国宝を耳にしたのでそちらへ旅立つ。
ある大聖堂に神や聖人を貶め、殺す災いを招く為に神を裁く神具として奉ってるらしい。

彼女は紆余曲折の末、大聖堂の最奥にて《聖人否定(イスカリオテのユダ)》の遺産を見付ける。
それは、

『神殺の人槍(ロンギヌス)』

八千枝は盗み出そうとしたのだか、数秘術による防衛魔術が働き、教徒たちに囲まれてしまう。
彼女は容赦ない呪術にて軒並みを抹殺したのだが、槍を盗み出せないことを察すると逃走を図る。

彼女は『神殺の人槍(ロンギヌス)』の術式を簡易ではあるが読み解いていたので、それを日本式に置換した呪術を施したものを帰国後に作り出した。
『神殺の偽槍(イミテーション・ロンギヌス)』或いは、『神道封儀の槍』と呼ばれたそれは江戸の大奥の一室に祀られた。
徳川の世が続く限り、神道……天皇が栄えることはなかったのはこのためである。


八千枝は一九四五年まで徳川家光に仕え、それ以降は「神を否定する」ことについて培った知識や術を伝えた。
天文学や数理、各国の歴史など多岐に亘る学術を教え、神学・神話を学んだ上で否定する魔女裁判のようなこともやっていた。
あくまで個人塾の要領だったので、日本で大きな組織だったりはしていない。小さな反社会組織程度だが、八千枝の教えから呪術や魔術などの体系を受け継ぐものもおり、それが現在のシノビとして存在している。

また、先述の通り、ニーチェやガガーリンの言葉が有名になったり、思想の自由が公的に認められたりした現代では活動が昔よりも活発的になっている珍しい集団。
組織や流派というより「神なんていない」という思想集団。


―――――――――――――――――――――――――

『神殺の人槍(ロンギヌス)』について、逆説的に神の存在を証明しているという指摘があったので補足。

 イエスは神として人々から崇拝されていたが、最後まで彼は聖人ではあったが神ではなかった。
 つまりイエスを神殺として記述しているのは、キリスト教含めた宗教の禁忌である偶像崇拝への皮肉である。イエスが神として扱われた皮肉を込めたものです。

独自流派忍法(無神論者)

★神流刑(かみながしのけい)
指定特技:自由
→元忍法名:独自射撃戦

演出
 元大司祭オーウェンが、他の六賢人のために非情に徹した覚悟の弾丸。
 容姿端麗で賢人一優しかった彼が、ガリレオの死刑判決によって人の醜さを知ったが故に「自分の隣人だけは護る」と決意し、「隣人を護る為なら、自分がどれだけ汚れても構わない」と身を落とした聖職者であり魔女でもある銃撃。
 場合によってはと、銃撃とは別に攻撃手段を残している味方を護るために他者を殺す、冷酷に身を費やしたものだけが扱える銃術・投擲術。



★犢神刃(とくしんじん)
指定特技:自由
→元忍法名:独自集団戦

演出
 浮浪者シュヴァリエが子供ができ、実家に戻る際にキリスト教へ回帰する前にスラム街の人々に残した武器への付与術(エンチャント)技法。
 刃に、槍先へ、矢へ、弾へ、
 シュヴァリエが裏の世界の人々から聞いた薬や葉を独自調合したオリジナルの毒薬を武器防具に塗り込み、その武具で攻撃することによって不調を引き起こさせ戦闘を有利に進める。
 シュヴァリエの薬は特に傷口を洗浄しても血が止まらない細胞殺害の薬効が強い。



★人通力(じんつうりき)
指定特技:なし
→元忍法名:独自支援

演出
 神を信じない、神を恨んでいる、神など俗物。
 そう云った反神精神を持つ同志に相互作用を及ぼし、類感魔術という概念によって対象を支援する術式。
 ヤチエが東国の呪術の集大成の一種として生み出した札で、無神論者の間でも流通しているものである。この札を貼っている者同士であれば、離れていても効力を発揮する優れもの。



★対界(たいかい)
指定特技:好きな忍術
→元忍法名:独自結界

演出
 作家ロジッタが地動説再動の失敗後、創作し続けた反キリスト教を描いた諷刺的小説に仕込まれた思想誘導。
 天文学を含めた科学によって神学及び神を「物理学」として証明されていき、魔法魔術や神々を否定し始めている黎明期だからこそ力を発揮する集団思想改竄に伴う、神秘の否定。
 国を変えるには民衆から、という思想のロジッタは己の書いた小説によって、民衆に神への懐疑的な見解を誰よりも広めることに成功した。



★五世(ごせい)
指定特技:潜伏術
→元忍法名:独自変速

演出
「始まりの六賢人」から連綿と続く反神への呪いと、志同じくする同志への祝福。
 始まりの六賢人の中でもリーダー格だった――――実際にリーダーのような上下関係はなかったが、纏め役として――――人形師コアが、ヤチエの東国呪術を基にして編み出した時系魔術であり、彼らが活動し始めた時間を起点として、年月が経つに連れて術式数値が加算されて行き、同志であるならばいつでも発揮できる瞬間加速の魔方陣。
 数値が加算されるのには1世紀で1段階だが、時間が掛かる代わりに加速する力が大幅に上がる。

流派レベルによる流派忍法

現時点の流派レベル1の場合、下記三つ。


★犢神刃(とくしんじん)
指定特技:自由
→元忍法名:独自集団戦

★人通力(じんつうりき)
指定特技:なし
→元忍法名:独自支援

★五世(ごせい)
指定特技:潜伏術
→元忍法名:独自変速

頭領・幹部

▼頭領(中忍頭):白戸 影津(しらと かげつ)
 ???歳・男

 旧大奥の最後の主人である白戸 元大(しらと げんだい)の末裔。
 旧大奥が解体されてからの白戸家は、天皇家や比良坂機関から危険視されて政界から放逐されてしまい階級・権力を失ってしまう。
 然し、独自の術式・呪術を保有する旧大奥勢は裏で結集し、天皇家含めた比良坂機関を撲滅しようと画策していたのだった。正確には、神を擁護信仰する盲目者たちの目を醒ますことが目的であるが。
 だが、再起した天皇を迎えた比良坂政府は神性を強め、秘匿され封印されていた秘術を天皇より受け賜り崩御させることは至難であることが分かる。
 勢力を強めつつも、神道勢力に勝てないと戦意が喪失していった反神同盟――――当時の組織名――――は、脱退者も増えていき、分解手前まで差し迫りつつあった。
 そして、当時の頭領・白戸 一馬(しらと かずま)が、自分の子供に現状を覆せるような特異な能力がなければ解散しようと幹部諸君にいった。そうして生まれてきた子供・白戸 影津。
 彼は生まれながらにして■■■■を引き起こし、襲い来る神道勢力に■■■してみせて退ける……等々、様々な神道を覆滅するような現象を多々発現させた。

 幹部しか残っていないような状況下での青天の霹靂。
 影津が呪術・魔術知識を身に着け、僅か28歳にて頭領となった。
 影津は勢力名を「無神論者」へと改名し、当時の幹部たちと志同じくする民衆を再結集していき、勢力拡大を目論んでいく。
 影津は、様々な儀式によって比良坂機関からの妨害、殲滅部隊を追い払っている。

 影津は約200年前に生まれたはずだが、現役で頭領を担っている……?
 アジトの最奥にいるらしいが、その姿は幹部以外に見せない。
 天幕越しに会話をした者は数人いる。


「再び神を落とし、人の世を築き上げること……いつ叶うことやら……」





▼筆頭書記兼相談役(中忍頭):蕪木 千葉矢(かぶらき ちはや)
 27歳・女

 九代目蕪木 千葉矢。
 代々、無神論者結成時より、千葉矢は世襲制で、その九代目。
 幼い見た目に少しコンプレックスがある女性。

 無神論者――――正確には前身である反神同盟――――の創始者である八千枝の直系子孫。
 八千枝については写真も絵もが残っておらず、知る人も皆死に絶えている。だというのに、世代的に既に八千枝の姿すら知らない頭領・影津から「八千枝様に似ているな、お主」と初対面で云われた。
 無神論者からは先々代から身を引いていたのだが、幹部たちの有識者会議だけは参加していた稀有な家系。
 七年前の有識者会議に初参加した際に影津に呼び出され、最奥の天幕場にて見染められ幹部に特例就任を認められる。初めは困惑したものの、影津の実力や見識の壮大さ、同志たちの温かさから現環境を気に入り、役職を誇りに思い数々の活躍を残してきている。
 主にアジトにて戦術戦略を執り行い、有事の際に絶体絶命を覆し好転させるなどの見敵術を光らせる。神算権謀と称えられることも。
 それだけでなく、一人頭だけ戦力が足りないと知るや、前線にて戦闘を行うことも厭わない文武両道を地で行く。
 八千枝のように呪術や西洋魔術を使ったりはできないらしいが……。
 虎視眈々と影津の命を狙っているという噂も……。


「神がいるとかいないとか、そういうのもう時代遅れなんじゃないかと思うんだけど……血は争えないということかな」




▼戦術指南者(中忍):澁川 灯々季(しぶかわ ひびき)
 45歳・男

 元比良坂機関の上忍。
 ある重大任務に就いた際、部下を多く死なせてしまうだけでなく、強大な妖魔出現を防げないどころか市街に出してしまう大失態を犯してしまう。上忍頭数人がかりで事は集束したものの、責任問題として降格が云い渡される。それだけならよかったのだが、上層部の意向で「その強大な妖魔の因子が植え付けられている」という嘘の指名手配が公的に出されてしまい、比良坂機関から追われる身となってしまう。
 実は隠していたのだが彼は本当にかの強大妖魔の因子を傷口から宿してしまっており、それを見抜いた比良坂上層部の一人に舌を巻いていた。同じくらい憎んでもいたが。
 追手からからくも逃げ出した彼は四肢から血を流し、あと数分で死に至るという状態だった。そんな死の間際だったからだろう……ある集団のアジトなる建物の結界が働かなかったのは。
 外敵と見做さず同志と見做した。
 彼は倒れ込みそうになったところを千葉矢に抱きかかえられる。
 彼女は比良坂である彼にも優しくした。
 手当も部屋も用意した。
 彼女は云った。「ここに入れたということは、貴方は比良坂でありながら比良坂ではなくなったのでしょう」と柔和に。彼は分かっていた、これは懐柔だと。分かっていながら、抗えなかった。もう比良坂の仕事に疲れていた、それに裏切られたようなものだ。
 千葉矢に実力を直ぐに見出され、影津に紹介されたところ幹部に昇格した。
 無神論者の武術師範として、働く。
 階級は身分を隠すために中忍としているが、実力を知る者も多く、彼より階級の低いものからも尊敬されている。


「こんな私を助けてくれた蕪木さんのためにも、私にできることは全て還元したい」



▼会計(中忍):秋津 海野(あきつ うみの)
 27歳・女

 鞍馬の名家に生まれたのだが、血に反するように文系だった少女。
 幼い頃から多くの迫害を受け、家族からも冷たく接されるようになると彼女は「自分の居場所はここではないのでは?」と思うようになり、抜け忍となる。
 とくに神に対して恨むことはないのだが、鞍馬神流に対して恨み辛みというよりも明確に鋭利な敵意を向けている。
 千葉矢に迷い込んだところ保護され、影津に相談するよりも早くに独断で私兵として雇われた。影津は最初、渋ったものの千葉矢から強く説得を受け同志として向かい入れた。
 然し、澁川のように最初から認められていた忍ではないので、平からのスタートで最初は前線にも多く駆り出された。また前線かと心折れそうなこともあったのだが、前線に赴くときは基本的に千葉矢も同行してくれており、彼女の「文系でも文句を云わず味方の為に前線で戦う姿」に心打たれ前向きに戦いの場にも出るようになる。
 彼女が中忍に昇級したとき、お祝いとして千葉矢に幹部就任をプレゼントされた。
 密かに千葉矢に性別を超えた感情を抱いている。


「嘆いていても、泣き崩れていても、物事は良いように好転することはない……。先駆者とは総じて、傷だらけでも前を向いて歩み続ける者である」
「千葉矢姐さんのお言葉です」



▼囚人(一般人):方桐 亜佳(かたぎり あっか)
 当時14歳(現在???)・女。

 方桐 藤見の娘。
 方桐家でありながら、シノビの才能が一切なかったために方桐内乱後に行われた方桐一家郎党処刑から免れた少女。
 本来は大損害を与えた方桐の者ということで処刑されそうになっていたのだが、影津によって幹部として収集を掛けた千葉矢が見掛けたところを彼女によって止められた。
 もともと非才の身でありながら自信がなく根暗なところがあったが、父親が引き起こしたクーデターによって輪をかけて心を病んでしまった。
 千葉矢にも感謝よりも「どうしてあそこで死なせてくれなかったのか」という逆切れを起こしてしまっており、そのくせに部屋から出ない引き籠り生活を送る。
 千葉矢幹部就任と共に半壊した反神同盟を無神論者に改名してからも、亜佳への裏切り者の娘という迫害意識は薄れず、敵意はおろか死ねばいいという身内も。
 千葉矢による庇護だけで生きていけている。その庇護は現在の九代目千葉矢にまで引き継がれている。

「あぁ、死に抗うことが人生だなんて……死ねるお父様に何が分かったというの……」

無神論者の世界用語

◎都市五行(としごぎょう)

 無神論者のアジトはとある都心の高層ビルの地下にあるのだが、地下への入り口は巧妙に隠されており、また強力な人除けの結界。
 上忍以上であっても容易に破れるものではなく、ハグレモノにしては高位過ぎる潜伏性を持っている。八千枝の巫術であるらしく、現代技術では逆に解き明かせない古代巫術。
 敵意のない者、戦意喪失した者、目的を失った者……そして、所属流派から気持ちが離れた者などは例外として結界内に入ることがある。洗脳などはこれに該当せず、あくまでも本当に自分自身でそうなっている者に限る。
 そういう者たちは、無神論者の新たな団員として迎えるべき同志の可能性から招かれたる客として例外とされる。



◎方桐内乱(かたぎりないらん)

 白戸 影津が頭領就任の次の日に起こった反神同盟内乱。
 白戸家に代々仕えていた懐刀であり最古参の幹部である方桐 藤見(かたぎり ふじみ)が幹部を抹殺していく悲劇。
 反神同盟という形骸化した昼行燈と云っても過言ではない幹部たちに煮え湯を切らせ、何度も天皇派や比良坂機関・隠忍の血統に対して反抗作戦の一つでも企てるように提案するも、いつもいつもなぁなぁで済ませて進展が見れなかった。
 藤見は自分が秘匿的に抱えている用兵集団・穢土衛士(えどえいし)を使役して、幹部を殺して回った。幹部は軒並み殺され、藤見以外はすべて皆殺しに。
 だが、襲名したばかりの影津が実力のない者たちを集めて即席で纏め上げ、藤見と穢土衛士たちを討ち斃した。
 ……妙な違和感を幾つか残しながら。
 1つ、藤見がどれだけ実力者だとしても、幹部たちが暗殺にせよ実力差にせよ、皆殺しになどできるのか?
 1つ、この内乱終局時に発覚した、八千枝が生み出した『神殺の偽槍』が何者かに盗まれたこと。

ハンドアウト

PC 推奨:

【導入】


【使命】

NPCハンドアウト

 概要:

【設定】


【使命】