黄金児。それは比良坂機関に伝わる生ける伝説。
幾人の巫女の胎を渡り歩き、大いなる託宣を授ける比良坂機関の権威を支える柱の一つ。
謎多き胎児を身籠る巫女は「お守り役」と呼ばれ、黄金児を狙うものから常に命を狙われてきた。
それは当代の「お守り役」も例外ではない。「お守り役」の任期終了が近くなった今でも、日に日に襲撃の激しさは増すばかり。
万が一の事態に備え、比良坂機関の上層部は護衛を付けることを決定した。
安寧、畏怖、崇拝、渇望。あらゆる思惑が渦巻く。
黄金児の隠された真実と若き巫女の運命。
胎児を巡る闘いの果てに見るものは…