平安初期、平安京にて。
貴族が治め、兵たちが守護する其の地に、"奴等"は現れた。
朝敵たる土蜘蛛どもが信仰せし、偽りの神々。
無数の殺戮と悪食を為す、業深き三十八の獣ども。
――即ち、業族三十八衆。
兵たちは、数十年の刻を戦い続け、
既に此れなる者たちの半数を討伐、或るいは封じ終えている……
しかし、強力無比なる者は未だ存命し、悪食を為し続けている。
――寛弘五年。ある屋敷にて。
業族の中でも、一際強大な者を討つべく、集められた者たちがいる。
其の者たちこそ、他でもない貴方たちの事であり、
屋敷の主である朱雀院は、声高らかに言い放つ。
「英雄に成れ」……と。