2:斜歯忍軍の研究所のひとつを見上げる。一見すると木造のこぢんまりした建物に、地下室があるだなんて誰も予想するまい。
3:市電に乗ってどこまで行こうか。出発進行、路面電車は合図のベルを鳴らして街中を走る。
4:文化住宅の増えた今も、下町の風情は今でもところどころに残っている。古長屋の裏では、子どもたちがチャンバラで遊ぶ。
5:「嗚呼、愛する二人の行方は如何に――!」電機館の前、活動写真の呼び込みが小気味良い。人気キネマ女優の新作らしい。
6:八咫重工の社屋にて。ぱりっとした背広にシャッポの社員に白衣を引っ掛けた研究員、立派な玄関を行き交う彼らの多くは忍者たちだ。
7:洋装の婦人や和装の紳士が行き交う人混み。おや、あそこにいるのは……?
8:近代的なビルヂングのそびえる区画。丸ビルと競うように建設中の工事現場では、八咫重工の社名の入った重機が働いている。
9:ラヂオ店の前には人だかりが出来ている。ラッパ式ラヂオから、ラヂオ劇や新聞の読み上げが流れてくる。
10:何か食べて行こうか。滋養の重要性は科学的にも証明されているのだ。アイスクリイム、それともコロッケ……何にしようか。
11:少し夜店を覗いていこう。時計に本、様々な出店で賑わっている。……おや、八咫重工製の写真機の類似品まで。
12:瓦斯灯灯る煉瓦街。そろそろ路面電車も終わろうかという時間帯、華やかな街も静かに眠りにつこうとしている。