政界で表も裏も顔が効く男、それが芹沢翁である。
芹沢は珍しいものがあった場合はどんな手段を使っても自分ものにする、言ってしまえばコレクター気質の人物である。そんな芹沢が最近手に入れた品物が妖刀「魅火月」である。
魅火月は人の世に災いと争いを招く危険な代物という伝説があるが、刀としての完成度は非常に高く芸術品としても一級品なのである。
芹沢は数年間それを探し求め、最近ようやくそれを見つけ出し自宅のコレクター品を閉まっている金庫に厳重に保管していたのだが、赤目兄弟・兄者と名乗る忍によって盗まれてしまった。
芹沢は親交が深い各流派に刀の奪還を依頼したのである。