零は機械仕掛の夢を LastNumber

タイプ:協力型

人数:3

リミット:3

舞台:現代編

製作:ふれの

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トレーラー

きおく。そっと胸に刻み。
きずな。ずっと共に歩み。
きぼう。きっとそこに未来を。

一つ一つ、無くしていく。
一人一人、失っていく。
たった一人、僕らの願いは届くだろうか?
……ありがとう。あともうちょっとだから。
少しだけ背中を押してくれる? ゼロ……。

─当然です、大好きなご主人さま─

忍術バトルRPG シノビガミ
『零は機械仕掛の夢を LastNumber』

これは、僕たちが夢見た未来のお話。
夢の結末を、見届けに参りました。

シナリオ集『初陣(uijin)』について

当シナリオは「わかばTRPG部」が発行する同人シナリオ集、
『初陣(uijin)』に収録されているシナリオです。

シナリオの詳細はシナリオ集をご覧ください。
https://wakabatrpgbu.booth.pm/items/5353851

はじめに

このシナリオは、シノビガミ『零は機械仕掛の夢を』の続作シナリオです。世界観設定や、物語の展開など、前作シナリオのネタバレ要素を多く含み、遊んでいることを前提とした話が展開されるため、通過後に遊ぶことを強く推奨します。

前作シナリオ『零は機械仕掛の夢を』の三年後の話となり、同じプレイヤーの方と、継続キャラクターを使ってキャンペーンシナリオとして遊んでいただくことが可能です。

どんなシナリオ?

【雰囲気】ポップ☆☆☆★☆シリアス
【PL難易度】簡単☆★☆☆☆難しい
【GM難易度】簡単☆☆★☆☆難しい

前作より少し難易度は高くなっていますが、引き続き初心者の方にも遊んでいただけるシナリオになっています。前作同様SF感のある世界観ですが、王道のシノビガミとして遊んでいただけます。

前作『零は機械仕掛の夢を』からの繋がり


上記シナリオにおいて、クライマックスフェイズ2へ進行し、妖魔《忌械》を倒した世界です。
エンディングで壊れてしまったゼロを「修理する」という選択を行うことで、このシナリオに繋がるようになっています。

「修理しない」という選択を行っている場合、「修理を行っていたならば」という過程でシナリオを開始しても構いません。

レギュレーション


『零は機械仕掛の夢を』の継続キャラ。
又は功績点を7点獲得した新規中忍で作成。
功績点を消費し、中忍頭に昇格しても問題ありません。
※ロストの可能性があります

『零は機械仕掛の夢を』で獲得した感情は失われ、セッション開始時に下記の感情を再獲得します。
・PC1は《ゼロ》と任意の感情を獲得し合う
・PC2は、PC1とPC3に対して任意の感情を獲得する。
・PC3は《一(はじめ)》と任意の感情を獲得し合う

採用自由:下位流派、奥義開発、背景、特殊な戦闘乱入、従者、改、認、各流派ブック
非採用:儀式忍法、血盟忍法
禁止背景:死亡する可能性のある背景、《双子》、《宗家》

NPC《ゼロ》について


ゼロの性別は前作『零は機械仕掛の夢を』での性別と同じです。

ゼロはエンディングでの修理時に電源を含む殆どのパーツを交換しています。本来であればPCたちと過ごした日常の記録が残っているはずはありませんが、そこで芽生えた想いなどはゼロの心に宿っています。
修理されたことでメモリも搭載されておりますので、もう一週間ごとに記録(記憶)を失うこともありません。ここ三年間の思い出は全て保持しています。

前作シナリオ内での出来事をゼロが記憶しているかは、自由に解釈し、臨機応変にRPして構いません。

世界観① フロイドの普及とArt社の躍進


前作『零は機械仕掛の夢を』で、忌械により世界中のフロイドが戦闘兵器とされてしまうが、PCたちとゼロの活躍によって沈静化する。

一は記者会見を開き、フロイドが戦闘機能を備えていたこと、そしてマザーコンピューターの暴走により今回の事件が起きてしまったことを謝罪し、世界中のフロイドを回収し、戦闘機能を取り除いた上で持ち主のもとへ返還すると発表。

世間のArt社への不信感が高まる中、一(はじめ)は一つ一つのフロイドを丁寧に扱い、戦闘機能を取り除き、持ち主の元へと返していった。PC3もその作業を手伝い、一(はじめ)の力になっていた。

新たに生産するフロイドも、一(はじめ)が直接指導する優秀なエンジニアたちにより手作業で造られ、マザーの行っていた虐待に等しい教育も、社員による丁寧な教育へと変わる。一(はじめ)は、その様子や進捗を定期的に世間に発表しており、誠実な対応により、Art社への批判の声は、徐々に称賛の声へと変わっていく。

新体制になった後、フロイドの人気はウナギ登りで高まり、高需要による生産数の増加により価格も抑えられていく。遂に一家に一体のフロイドが当たり前の時代となった。

世界観② Art社の新技術「フォーチュン」


Art社は、無公害の永久エネルギー資源を発見し「フォーチュン」と命名した。そして、フォーチュンを活用したエネルギー生産施設を稼動させ、電気や石油などのエネルギー問題を一挙に解決していく。これがArt社を更に躍進させるキッカケとなった、というのが世間的に知られている事実だが、実際には語られていない事実が存在する。

未知のエネルギーであるフォーチュンは、Art社の調査によりシノビの持つ森羅万象の力と同じ波長を持っていることが分かっている。比良坂機関はフォーチュンがどのような存在であるかを、監視、管理すべく、Art社に施設を作らせた。

一(はじめ)を中心に、斜歯忍軍、比良坂機関の優秀なシノビたちがフォーチュンの解明に尽力している。

導入① フォーチュンの発見


一年ほど前。
PCたちはArt社の一(はじめ)の部屋に呼ばれる。一(はじめ)からフォーチュンなる未知のエネルギー資源を発見し、それがシノビの持つ森羅万象の力と同じ波長を持っていることを告げる。比良坂機関に報告し、国の監視下に置いたほうが良いのではないかとPC2に進言する。

PC2が比良坂機関の上層部に報告したところ、Art社にフォーチュンの調査、監視を請け負わせ、PC2はそのチームに所属するよう伝えられる。PC2と一(はじめ)を筆頭とするArt社のチームは、フォーチュンを調査する過程でエネルギー生産施設を建設し活用することで、世界中のエネルギー問題は解決された。

また、一(はじめ)はPC3が所属している既存のフロイドの開発や販売も並行して行っており、そちらも高い成果をあげていた。今や先進国では一家に一台レベルで、フロイドが居るのは当たり前という時代が到来した(現代日本に置ける乗用車の普及率くらい)。
一(はじめ)はかつて無いほど大忙しになりPC3と共に過ごす時間は非常に短くなっていった。

導入② フロイドが当たり前の世界


「Art社主催! 自慢のフロイドたちが、己の魅力を競い合う! フロイドフェスティバル!!」

今日はフロイドのコマーシャルとフロイド文化の発展のために催される、フロイドとその主人である人間が共に絆を見せあう祭典の日だ。一緒に歌ったり踊ったり、演劇や手品を披露をするなどし、最後は人気投票で最も会場を盛り上げた優勝者を決める。

PC1とゼロは一(はじめ)からの頼みもあり、この祭典に参加していた。何と、このフェスにはフロイド好きで有名なハリウッドの有名俳優も参加していた。彼のフロイドも共に俳優業を行っており、世界的に人気の二人組。会場からも凄まじい歓声があがっている。

次はPC1とゼロの番だ。果たしてこの強敵と競い合うことはできるのだろうか?
公開ハンドアウト
シーン表
「ぜろゆめLNシーン表」「Art社LNシーン表」のいずれかを使用します。各PCがRPしやすいシーン表を選んでください。転々シーン表(認p135)にしても構いません。

シーン表

「ぜろゆめLNシーン表」「Art社LNシーン表」のいずれかを使用します。各PCがRPしやすいシーン表を選んでください。転々シーン表(認p135)にしても構いません。

ぜろゆめLNシーン表
2:「フロイドの癖に!!」という大きな声が遠くから聞こえてくる。多くの人に普及したことで、三年前にはなかった、人とフロイドとの衝突も起きるようになってきたようだ。
3:一般人の知覚し得ない闇夜の中、シノビたちは日夜戦いを繰り広げる。キミたちもこの三年間で幾度となく戦いを繰り広げてきた。
4:テレビコマーシャルではArt社の広告を見なくなった。マスメディアにフロイド文化が湾曲されて伝わってしまわないようにと一(はじめ)の思いによるものだ。
5:街を歩いていると以前にも増してフロイドの姿を多く見かけるようになった。もはやフロイドはそこに居て当然の存在となっていた。
6:烏鳩が舞い降りる。これは流派の上司からの定期連絡だ。時が流れてもシノビの在り方が大きく変わることはない。きっとこれからも。
7:人々の行き交う都会の喧騒に、近代的なデザインのArt社ビルがそびえ立つ。今やArt社は世界に名を連ねる大企業だ(シーンに一(はじめ)が登場する)。
8:世間はフロイドフェスティバルの話題で持ち切りだ。ゼロも買い物に出掛けるとファンになったという観客から声を掛けられることが増えたようだ(シーンにゼロが登場する)。
9:どうやら眠っていたようだ……って目の前でゼロが眠っている!? 思わず心臓が跳ね上がった! 一体どうしてこんな状態になったんだっけ!?(シーンにゼロが登場する)。
10:まったりと公園で休日を過ごす。いつもよりゆっくりと進む時計の針、いつもよりもいっぱい弾む話、こんな日々がずっと続けば良いと願うばかりだ。
11:Art社の前で「フロイド反対!!」というプラカードを持った人たちがデモをして何かを訴えようとしている。彼らはどのような心境で何を訴えているのだろう。
12:みんな集まってのお泊まり会。ゼロは勿論、忙しい仕事の合間に一(はじめ)も仕事を終わらせてきてくれた。いつもとは少し違う特別な夜が始まる(シーンプレイヤーはシーンに登場しているキャラクターから一人を選ぶ。好きな特技で判定し、判定成功で好きな感情を獲得できる)。

Art社LNシーン表
1:フォーチュンの研究エリア。世界最高峰のスーパーコンピューターが稼働し続けているが、三年前の過ちを繰り返さぬように比良坂機関のシノビたちによって厳重に管理されている。
2:Art社の応接室。一(はじめ)とPC3が二人で撮ったであろう写真を見つける。かつて復讐心に支配されてしまった一(はじめ)だったが、もう彼は前を向いて歩いている。
3:フロイドの製造部門。斜歯忍軍の優秀なエンジニアがフロイドを一体一体手作りで仕上げ、丁寧に学習を施している。PC3もここで活躍している。

ハンドアウト

PC1 推奨:ハグレモノ

【導入】
キミはシノビとして優秀で、流派の上司からも一目置かれている。ゼロとの出会いは、キミにとって掛け替えのない大切なものだ。そして当然、共闘した二人も大切な仲間だ。

あの事件から三年……。キミはゼロ、そしてPC2、PC3と一緒に平和な日常を謳歌していた。どうか、この平和がこれからも続きますように。ねえゼロ。これからも一緒に居てくれるよね。

【使命】
平和な日常を守る

PC2 推奨:比良坂機関

【導入】
キミは、誰よりも仲間を大切にするシノビだ。フロイドはもう嫌いではなくなった。共に大切な人を守り抜いたゼロは、もうキミの仲間なのだから。

あの事件から三年……。キミはゼロ、そしてPC1、PC3と一緒に平和な日常を謳歌していた。Art社が発見したフォーチュンを、Art社と共同で管理することとなった。フォーチュンの秘密を、必ず解き明かしてみせる。

【使命】
フォーチュンを調査する

PC3 推奨:斜歯忍軍

【導入】
キミは、機械工学やアンドロイドが好きなシノビだ。ゼロはキミにとっても大切なきょうだいだ。PC1、PC2と共に、これからも歩いていこう。

あの事件から三年……。キミは、一(はじめ)と共にArtの社員としてフロイドの普及に努めてきた。努力の甲斐があり、遂に一家に一台という時代がやってきた。これからも、尊敬する一(はじめ)と共に、フロイドを広めていくんだ。

【使命】
フロイドを世間に普及させる

NPCハンドアウト

ゼロ 概要:心を宿したフロイド

【設定】
三年前、PC1の元に突然現れたフロイド。一(はじめ)が初めて開発したフロイドで、一(はじめ)の持つ感情が宿っている。

PCたちと共闘し妖魔を倒したが、その果てに壊れてしまう……。現在のゼロは一(はじめ)によって修理された新しいゼロだ。

PC1が、これからも一緒にいてくれる? そのようにゼロに問い掛ければ、笑顔でこう返すだろう。「当然です、大好きなご主人さま」

ゼロには、感情、秘密が存在する。

【使命】
PCたちの力となる

一 概要:Art社の社長

【設定】
若くしてArt社の社長を務めるPC3の兄。かつて、両親を殺されたことによる復讐心に飲まれ、開発していたフロイドたちに戦闘機能を持たせていた。三年前に、フロイド管理システムであるマザーが暴走し、大きな事件を引き起こしてしまう。

その後は心を入れ替え、真剣にフロイド文化の普及に努めている。一年ほど前、未知のエネルギー資源「フォーチュン」を発見し、その調査や運用などにも努めている。

一(はじめ)には、感情、秘密が存在する。

【使命】
フロイドを世間に普及させる

フォーチュン 概要:未知のエネルギー

【設定】
一年ほど前に、一(はじめ)が発見した未知のエネルギー資源。奇跡のエネルギーと称され、Art社の施設で運用されているが、影の世界では、その力がシノビの力に近い波長を持っていると知られている。

現在は、調査と管理を兼ねてArt社内に特設チームが組まれ、比良坂機関や斜歯忍軍の優秀なシノビたちが、フォーチュンの調査を行っており、PC2もそのチームに所属している。

フォーチュンには、秘密のみが存在する。

【使命】
世間にエネルギーを供給する