とある地方の山中。ぽつりと建つ古びた木造建築の一室。
窓の外には川の清らかな流れが認められるこの家を、彼はセーフハウスであると語る。
忍務の最中に深手を負ったあなたは、その部屋のベッドで彼の看護を受けている。
置かれた木製のベッドもまた古いものだが、できる限りを清潔に保たれているし、
供される食事――主に獣や野草で作られたもの――も、腹を満たすには充分だった。
時折外を斜歯忍軍の機忍戦闘部隊が彷徨いていることもある。
彼はあなたを部屋に置いてそれに打って出、時に軽い傷を負って戻ってくる。
都会から遠く離れた山中の木造建築の一室。
この部屋を流れる時間ばかりはひどく穏やかだが、あなたはこの時間を永遠に続けるつもりはない。
彼もまた。傷が癒えたらここを出ようと、繰り返しそのように語っている。
出口はあるのだ。
帰るべき場所が、自分たちにはあるはずなのだから。