その指先に何を想ふ

タイプ:特殊型

人数:2

リミット:2

舞台:戦国編

シーン表:吉原シーン表

製作:ないぴょん

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トレーラー

ここは、遊女たちが集う場『吉原』

不思議な縁に導かれし二人

旅人に迫るは狂気の刃

遊女は知るのは本物の愛情

今示しましょう、愛の証を

その指は、二人をつなぎ止める証(もの)だから。

忍術バトルRPG シノビガミ
『その指先に何を想ふ』

キャラ作成時の注意点

吉原を訪問する者は、その身分を明かさない。
同様に遊女も、その身分を明かすことはない。

このシナリオでは、その再現のため秘密が明らかになるまで、
キャラクターシートも非公開となります。
忍法や特技、年齢などは非公開となりますが、
名前のみ公開しても構いません。

・使用不可
従者、最後の一撃、遺言、儀式忍法、血盟忍法、侵蝕などの死亡する可能性がある背景

世界観

ここでは、当シナリオにおいての『吉原』という地について説明します。
史実とは異なる要素も含んでおりますので、
キャラクター作成の参考にしてください。

『吉原』
遊女と呼ばれる女性たちが集う町のこと。
ここ10年で急速に発展を遂げた。
この町の中心となっているのは、「遊郭」と呼ばれる建物である。
見た目は派手ではなく、戦国時代の武家屋敷のような造りをしている。
遊女たちは通りに面している、見世と呼ばれる格子の部屋に入れられ、
客(主に男性)に買ってもらう。一夜を共にし、客を見送り、
そしてまた別の客へと……そのような光景がこの地の日常である。

『遊女』
吉原で働く女性たち。14歳で遊女となり客をとり始める。
遊女としての生活は27歳までが限度とされている。
その後は、後進の指導役や遊郭の運営などに携わる者もいるようだ。
逆に遊女になる前の少女たちは、遊郭での手伝いといった雑務を課されていた。
過酷さ、拗れた人間関係からの脱却をはかり、吉原から逃げ出そうとする者もいた。
だが結界に阻まれてしまい、外に出ることができなかったようだ。
この地は遊女にとって鳥籠のような地である。

『指切り』
遊女たちは、客とごっこ遊びをしている。いわば「偽りの愛」だ。
ただ、その偽りから「本物の愛」へと発展することもある。
遊女たちはこの愛が偽りではないという証明のために、
自身の小指を切り落とし、相手に差し出すといった風習がある。
これが、指切りげんまんの由来となったと言われている。
『遊女の階級』遊女には、階級によって料金や相手をする客も変わる。
PC2は、局(つぼね)の階級となる。

『局(つぼね)』
経験を積み、実力をつけてきた遊女たち。
この階級の遊女は、ある程度名が知れており、
固定の客も一定数いる。少し身分が高い客を相手することが多くなり、
それに伴って無理な要望・暴力・強要といったことも増えていく。
このようなことが積もり、吉原を抜け出したいという遊女が多くいる階級でもある。

導入① 鳥籠の囚人(PC2の導入)

PC2のみが登場する導入シーンになります。
下記シーンを適宜アレンジしながら描写してください。

【描写】
ここは、夜が明けぬ町、吉原。
遊女として過ごすあなたは、毎日客とのごっこ遊びを繰り返す。
それが日常であった。今日も、客の相手をし終えたところだ。

~ここで客とのRPをしても良いでしょう。~

客のセリフサンプル
「よかったよPC2ちゃん……また遊びたくなっちゃうねえ……!」
「もう時間だけど、もうちょっとだけ遊ばないかい?大丈夫さ、お金ははずむよ」
「なぁ……いいだろ?さあ、遊ぼうじゃないか……!」

客の相手を終え、遊郭を後にして、吉原の町を歩いていく。
こんな生活はもう限界だった。そして、ある想いが爆発する。

「吉原から抜け出そう」

そう決意し、町の外れへと向かっていく。
噂によれば、ここから抜け出せたものはいないらしい。
だが、たかが噂程度なものだ。やってみなくては始まらない。
そう思いながら脱出を試みることにした。

しかし、結界に阻まれ、抜け出すことは叶わなかった。
どう足掻いても、結界を破ることができない。
術者を倒せれば結界を破れるかもしれない。
そのように考えていると、背後に何者かの気配を感じる。
あなたは気配がする方へ振り向いた……。

導入② 2人の出会い(PC1の導入)

PC1のみが登場する導入シーンになります。
下記シーンを適宜アレンジしながら描写してください。

【描写】
あなたは、奪われた刀を取り戻すために各地を巡る旅をしてきた。
旅の最中、「不思議な刀を持つ女がいるらしい」という噂を聞き、
吉原を訪れた。この場所に奪われた刀がある。小さな予感のようなものを感じていた。

吉原は、乱世の時代においてはとても異質とも言える町である。
真っ先に目につくのはネオン街のような光、着物を少し着崩した人々の服装であった。
少し町の中を歩いていると、女性が着物をはだけさせ、誘惑してくるように声をかける。

「いらっしゃいませ~!吉原へようこそおこしくんなまし!」
「ゆっくりこなたの町を楽しんでいってくんなまし」
「どうでありんすか?わっちと一緒に遊びんせんか?」

PC1が遊女の誘いに乗るか乗らないかはRP次第です。
ある程度RPをしましたら、次の描写に進みます。

しばらく歩いていると、町の中心地からは少し離れた場所に出る。
すると、目の前に着物を着た女性が立っており、
気配を察知したのかあなたの方に振り向いた。

そして、視線が交差した。

導入③ 吉原にて(共通導入)

このシーンでは、PC2人が出会い、
そして行動を共にするまでの流れを自由に演出してもらってください。
ある程度仲を深める方がシナリオ進行上スムーズになります。
時間が許す限りRPしていただくのが良いでしょう。

GMは場面を描写するにあたって、
【世界観】の欄を参考に場面を自由に演出しても良いですし、
シーン表を振っていただいても良いでしょう。

このシーンの終了時、
修得している《背景・絆(基p122)》の効果により任意の【感情】を獲得します。

【演出・描写例】
視線が交差した2人。
不思議と、相手の顔から目を離すことができなかった。
そして、2人の小指から、赤い糸が浮かび上がる。
それは徐々に伸びていき、2人の赤い糸が結ばれた。
一瞬の出来事だったのか、その糸はもう見えなくなっていた。
何かが惹かれあった2人。足は自然と前に進む。
そして、声をかけた。

吉原シーン表

メインフェイズではこちらのシーン表を使用します。
必要に応じて転々シーン表ルール(認p100)を採用しても構いません。

1:柄の悪い男に絡まれてしまう。どうにか問題を起こさないように穏便に済ませないと……この町で問題を起こしたら大変なことになりそうな気がする……。
2:裏路地。遊郭から大きく外れた通り。人通りは少ないが、ちらほら遊女たちが誘うかのように手招きをしている。吉原の影の部分だろう。華やかな光には必ず影があるものだ。
3:遊郭と呼ばれる武家屋敷のような建物が立ち並ぶ大通り。見世(みせ)と呼ばれている格子の部屋からは、多くの遊女たちが客を誘っている。大通りを通る人たちは、品定めするかのように遊女たちを見つめていた。
4:花魁道中。大通りをまかり通る太夫。彼女から放たれる貫禄は、多くの者を釘付けにしていた。それは、あなたたちも例外ではない。
5:引手茶屋。芸者などを招き、遊びながら指名した遊女を待つ場所である。そこでは、多くの客が出入りをしているだろう。指名した遊女と遊ぶためのこの場所は、人が絶えることはない。
6:商店街。ひときわ賑わう大通りだ。土産、簪、髪飾りなど、多くの物が立ち並んでいる。ある程度のものなら一通り揃うだろう。
7:宿場での一室。夜が明けないこの町に、乱世には、似つかわない七色の明かりが町を照らしている。
8:しとしとと雨が降っている。雨と明かりがこの町を幻想的に照らす。町中には唐傘をさしている人たちが歩いている。

ハンドアウト

PC1 推奨:旅人の男性 20歳前後

【導入】
あなたは、奪われた刀を探して旅をしている。

風の噂をきいて、ここ吉原にそれがあると知り、訪れた。
そんな中、あなたは町の外れでPC2と出会う。
彼女となら、この町で奪われた刀を取り戻せる。
何故かはわからないが、小さな確信があった。

あなたの【使命】は「奪われた刀を取り戻すこと」だ。

あなたは、PC2に対して《背景・絆(基p122)》を修得している。
導入時に、任意の【感情】を獲得する。

【使命】
奪われた刀を取り戻すこと

PC2 推奨:吉原の遊女 20歳以下

【導入】
あなたは遊女の町、吉原に住むものだ。

遊女として過ごしてきたあなたは、ここでの生活に嫌気がさしていた。
この生活から解放されるべく、抜け出すことを決意したが、
結界に阻まれ出ることができなかった。
何か方法を模索していたところにPC1と出会う。
思わず彼に声をかけた。

あなたの【使命】は「PC1の力を借りて吉原を抜け出すこと」だ。

あなたは、PC1に対して《背景・絆(基p122)》を修得している。
導入時に、任意の【感情】を獲得する。

【使命】
PC1の力を借りて吉原を抜け出すこと

NPCハンドアウト

吉原の地 概要:夜が明けぬ町

【設定】
武蔵国に突如現れた町。別名『夜が明けぬ町』とも呼ばれている。

この町の急速な発展スピードは乱世の時代では到底ありえないものだ。
そして、所々この時代には存在しえないものがある。

遊女たちには「偽りの愛」に専念するように呪いがかけられているという噂がある。この呪いは、町を出ようとしたときに顕在化すると言われているのだが……?

【使命】
お客様をもてなす

薊姫 概要:この地を支配する楼主

【設定】
吉原を作った人物であり、楼主。
たった、10年ほどで町を急速に発展させた実力者でもある。

この地の遊女たちを呪いで支配し、縛り付けている暴君であるとの噂もある。
吉原で定期的に映像で映し出されているが、実際に姿を見たものはいない。

彼女の本当の正体とは……
薊姫の【使命】は「吉原をさらに発展させること」だ

【使命】
吉原をさらに発展させること