古くから秘神・御左口(ミシャグジ)様を奉り、その神託によって政をも左右するという諏訪大社秘蔵の神子が姿を消した。
護衛を勤めていた忍びの1人が突如乱心し、厳重な監視網を掻い潜って神子と共に出奔したのだ。
信濃国諏訪郡を治める戦国大名・諏訪頼重(すわ よりしげ)は子飼いの忍びに神子の追跡と奪還、乱心者の抹殺を命じた。時を同じくして諏訪攻めを目論む隣国・甲斐の武田晴信(たけだ はるのぶ)も、凄腕の忍びに神子の強奪を命じる。
はたして忍びと神子の真意はいずこにあるのか?
御左口の神子を巡り、忍びたちの暗闘が始まろうとしていた。