虫を喰わせと蟲が哭く

タイプ:対立・特殊型

人数:4

リミット:3

舞台:土蜘蛛の里

製作:とりにく

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今回予告

――虫を喰わせと蟲ぞ哭き。

土蜘蛛――大和王権以前に日本各地で勢力を誇った隠忍の血統の末裔。
朝廷に恭順しなかったため、多くの家系が滅ぼされた、まつろわぬ者達の蔑称。
彼らの多くは山中に里を作り、独自の女系社会を築き、日本政府に対抗するべく、長い雌伏の時を過ごしながら力を蓄えている。

この物語の舞台となる里も、彼ら土蜘蛛の住まう集落である。
里には一つの変わった風習があった。
それは里の長たる『女王』が産んだ二匹の『女王候補』を競わせて
次代の『女王』を選出する『蟲喰いの儀』。
その儀は、己が半身を喰らうことで成立する。

故に女王候補達は、互いに反目し、憎み、殺し合う。
定められた運命に対し、一片の疑問を挟む余地もなく。

だが10年前、その風習(システム)に一つの齟齬(バグ)が生じた。
幼き女王候補達が偶然出会い、互いに惹かれあってしまったのだ。
無邪気に再会の約束を交わした二人の王女は知らない。
目の前にいるこの少女こそが、10年後、争い、殺し、食らうべき半身であるということを。


虫を喰うは蟲喰い。喰われ虫の穴は虫食い。
欠けた虫を想い蟲悔い。
終にお悔やみ申し上げても無視。

――これは欠落《バグ》を埋めるべくして女王《バグ》たちの見た夢。



シノビガミ「虫を喰わせと蟲が哭く」



さあ蟲どもよ、踊れや踊れ。
夢の褥で踊れ。腹の底で踊れ。


――虫を喰わせと蟲よ、哭け。

レギュレーション

タイプ     :対立型ベースの特殊型
リミット    :3
人数      :4
レギュレーション:基本ルールブック現代退魔編
有り :下位流派、背景、奥義開発、さらなる奥義開発、特殊忍具
無し :従者、儀式忍法

※プライズの【居所】を所持している者はプライズの所持者に戦闘をしかけることができる。

※蟲喰いの儀はクライマックス終了後に行われる。

※戦果によるプライズの獲得や、ドラマシーン中の譲渡はそのプライズの名前を知っている者のみが行える。

※クライマックス勝利者は戦果とは別に、蟲喰いの儀を行うか、行わないかを決める。
行う場合、誰が誰を喰らうか決めることができる。

※蟲喰いの儀で喰らわれた者は死亡する。
喰らった者は新たな女王となると同時に、次代の王女達を孕み、里から出ることは不可能になる。

※クライマックス戦闘で死亡した者は喰らわれることはできるが喰らうことはできない。

舞台

舞台は外界から隔絶された山奥の土蜘蛛の里です。
シーン表は『土蜘蛛の里』シーン表を使います。
PLが希望するなら任意のシーン表を自由に導入してください。

『土蜘蛛の里シーン表』
1:一面の花畑、働き蜂たちがせっせと蜜を集めている。
2:どこかから炊事の煙が漂ってくる。それに忌避感を覚えるのはなぜだろうか。
3:里はずれ。静けさの中に番いを求める蟲の唄が響く。
4:里は蟲喰いの儀の準備に動き出している。どことなく騒がしく、しかし不気味だ。
5:風にのって子守唄が聞こえる。母から子へ受け継がれるこの唄は、どこか物悲しい。
6:暗闇の中、篝火が揺れる。羽虫達は本能のままに炎に飛び込んでいく。

このシナリオについて

PURE WOOL製作、R-18乙女ゲー「女王蜂の王房」
美内すずえ著、「ガラスの仮面」より劇中劇「ふたりの王女」
を元ネタに、ぐちゃどろ愛憎姉妹百合+どろねちょ男女主従ものがやりたいという願望から生まれた、いつもの表書きフリー素材を自前で秘密を埋めてみたものです。
また、シナリオタイトル、今回予告作成にあたり、まどーんさん(@M_A_Dawn)に、
シーン表作成にあたり、Fumbleguyさん(@Fumbleguy)に、
【秘密】作成にあたり、MASASHIGEさん(@kg_masashige)、のりおさん(@noriothedrill)に、
多くのご助力をいただいたことを心より感謝申しあげます。

ハンドアウト

PC1 推奨:ハグレモノ・女

【導入】
あなたはこの里の女王候補として生まれた『王女』の片割れだ。
しかし何の因果かあなたは土蜘蛛としての能力に恵まれず、里の者たちにひそかに「できそこない」と蔑まれている。
孤独なあなたの心を支えているのは、ただ一人黙々と己に付き従う従者PC2と、10年前に出会った不思議な少女との再会の約束であった。
『蟲喰いの儀』を目前に、貴方の胸は躍る。
あと少しで、あの時の少女と再会できる。そんな確信にも近い予感を抱きながら。

【使命】
10年前出会った少女と再会する

PC2 推奨:比良坂機関・男

【導入】
あなたはかつて、日本政府に仇なす土蜘蛛の里の調査をする為、里を訪れた比良坂機関のエージェントであった。
しかしあなたは機密情報を持ち帰る寸前、現『女王』に捕えられ、洗脳を受け、自らの意志とは無関係に女王に奉仕する"蟲"の一人に変えられてしまった。
望まぬ隷属という屈辱にひそかに身を震わせるあなたに与えられた忍務は、女王候補であるPC1の護衛兼教育係であった。
洗脳を受けた身とは言え、何故己のような余所者にそのような重大な忍務を与えるのか。
訝しがるあなたの服の袖をくいと引いたのは、蟲とは思えぬ無邪気な瞳をした少女、PC1であった。


【使命】
洗脳を解き、自由の身となる

PC3 推奨:土蜘蛛・女

【導入】
あなたはこの里の女王候補として生まれた『王女』の片割れだ。
土蜘蛛としての能力に恵まれたあなたは、次代の女王候補として期待され、それに応えるべく、日々の研鑽を積んでいる。
里中の者たちに慕われるあなたの心をざわめかすのは、不敵な笑みを浮かべ己に付き従う従者PC4、10年前に出会った不思議な少女との再会の約束であった。
『蟲喰いの儀』を目前に、あなたの胸は焦燥を感じる。
あと少しで、あの時の少女と再会できる。そんな確信にも近い予感を抱きながら。

【使命】
10年前出会った少女と再会する

PC4 推奨:自由・男

【導入】
あなたは古くから、この里の『女王』に仕える重鎮だ。
女王直属の"蟲"として身を粉にして働くあなたに与えられた忍務は、女王候補であるPC3の護衛兼教育係であった。
次代の女王候補である王女の養育と護衛という重大な忍務を受けたあなたは、更なる権力の掌握の予感に愉悦を隠しきれない。
不敵な笑みを浮かべるあなたをキッと睨み付けたのは、幼いながらもその瞳に女王の風格を宿す少女、PC3であった。

【使命】
更なる権力を掌握する

NPCハンドアウト

女王 概要:里の最高権力者

【設定】
里を支配する女王。名君と名高く、一族の者達からも慕われている。
歴代女王の宿命として、蟲喰いの儀の終了と共に死亡する。データはない。

【使命】
次代の「女王」を見出す