ここはとある研究所。
たくさんの観光客たちが研究施設を見に訪れている。
ここでは南極で発見された奇妙な生物を人間社会で役に立てるための研究が進められている。
その生物の名は"S"。
観光客たちはツアーガイドに導かれとあるガラス管に到達する。
そのガラス管の中に蠢く"S"。
黒く濁った粘液状の生物がガラス管の中で這っている。
観光客たちがカメラを構えたその瞬間のことであった。
ピシリ
何かが割れ、爆ぜる音。
観光客たちの逃げ惑う声。
研究施設の警告音。
やがて喧騒が終わると周囲は暗闇に包まれる。
どうやら停電が起こったようだ。
……"S"の姿はどこだ?
シノビガミシナリオ『"S"の話』